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新しい自主管理の仕組み「マン管クラセル方式」

三菱地所コミュニティーグループのイノベリオス社が提供する自主管理支援アプリ「KURASEL(クラセル)」。

これの反響がすごいです。

これまでにもマンションコミュニティーを支援するWebツールやアプリはいくつか存在しておりましたが、決定的に違うところは、

管理組合の口座と直結することです。

これが何を意味するのか。

そもそも管理会社の仕事とは

管理会社、正式には「マンション管理業者」の業務はマンション管理の適正化の推進に関する法律(マンション適正化法)明確に定められています。

【基幹事務】
①管理組合の会計の収入及び支出の調停
②出納
③マンション(専有部を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整

これら①~③全てを業として行うにはマンション管理業者の登録が必要とされています。

ただ、マンション標準管理規約(第32条)では、これらの業務は管理組合の業務としてでも定められています。

そして第33条ではこの業務の全部又は一部をマンション管理業者等に委託できるとされています。

つまり、これらの業務を
管理組合でやるのか?
全部委託するのか?
一部だけ委託するのか?
マンション管理業者に委託するのか?
その他に委託するのか?

これらは全て自由なんです。
それぞれのマンションにとってベストな選択を管理組合のみんなで決めるのが基本なんです。

マン管クラセル方式とは

管理組合の業務を一括でマンション管理業者に委託するのではなく、基本的には自主管理にて行い、専門知識の部分をそれぞれが得意なところに協力を仰ぐのが「マン管クラセル方式」です!

マンション管理で最も重要なのが、お金の管理。
50戸規模のマンションでも年間で動くお金は数千万円。正しく財務管理するには高度な会計の知識が必要になります。

これをアプリで実現したのがイノベリオスが提供する「KURASEL(クラセル)」。

詳しくは過去記事にて

アプリで自主管理。KURASEL(クラセル)がスゴイ!

さすがマンション管理業者の大手、三菱地所コミュニティが作ったというだけあって、かゆいところに手が届くものになっています。

とは言っても。所詮のところはアプリです。使い方や困ったときのサポートは、マンション管理に精通したKURASELのサポートが対応してくれるのですが、これまで管理会社におまかせしていた理事会運営のサポートやメンテンスなどはすっぽり抜けてしまいます。

そこで登場するのが我々マンション管理士。

KURASELによって、ほぼ完結するマンションのソフト面の管理。
唯一足りないのが人間的なサポート。
理事会の運営サポートや、大規模修繕の計画やマンションの将来に対しての備え。管理費の滞納や組合員からの様々な相談への対応。そして、マンションにとって有益な情報の提供や法改正への対応。

これらはマンション管理士が最も得意とする業務です。
マンション管理士が日常的にマンション管理に参入することによって適切なサポートが可能になります。

KURASELとマンション管理士、そして管理組合自身がしっかりと組み合ってマンション管理を行う仕組み。
これがマン管クラセル方式という新しい管理方式なんです。

忘れちゃいけないメンテナンス

マンション管理のソフト面をKURASELとマンション管理士のサポートによりまかなえたとして、忘れていけないのがハード面。

マンションの設備などの定期点検や定期清掃などです。

マンション管理業者の場合、これらは自前でメンテンス部門を持つところと、ビルメンテナンス会社に第三者委託している場合があります。

自主管理の場合、ハード面の業務は専門のビルメンテナンス会社に直接委託することにより中間マージンを削減することが可能になります。

ただ、通常はビルメンテナンス会社は分譲マンションの管理組合とのやり取りを苦手としているため、直接契約は避けられます。
そこで活躍するのがマンション管理士です。

マンション管理士が管理組合とビルメンテナンス会社との間に入ることによって、調整役として機能するためスムーズな取引が可能となります。

マン管クラセル方式のメリット・デメリット

マンション管理士とKURASELのいいとこ取りの自主管理「マン管クラセル方式」ですが、マンションによって向き不向きが当然あります。

メリット、デメリットをまとめます。

メリット

  • 管理会社に一括で委託するよりもコスト削減が可能
  • マンションの資産管理を管理組合自身が管理することができる
  • マンション管理士という専門家が第三者として助言することにより、適正なマンション管理が実現できる
  • 管理組合に資産価値への意識が向上する
  • IT化が進むことによりマンション管理運営への参加が進む

デメリット

  • 管理組合の負担が増加する
  • 小規模のマンションの場合、必ずしもコストが削減するとは限らない
  • スマホやPCをに不慣れな方もいる

まとめ

管理会社に全て委託するマンション管理の方式は、豊富なノウハウを持ったマンション管理業者によって安心が担保されています。

ただ、現実はフロント営業担当の良し悪しに左右されることも多く。合わせてマンション管理業者の人材不足も深刻化しています。

これから人も建物も高齢化が進む高経年マンションでは、業務内容に見合った委託費用の捻出が難しく、管理会社から契約更新を断る事例も多く出てきています。

今回ご紹介した自主管理の進化型、マン管クラセル方式も一長一短はありますが、今後のマンション管理を考えるにあたり、選択肢のひとつとなればと我々は考えます。

マンションで暮らす方々の中には、スマホやPCが苦手な方も当然おられます。

当相談室ではそういった管理組合様に対してのスマホ・PCの勉強会なども含め、マンション管理のIT化に寄与したい考えます。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

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