『マンションは管理を見て買え!』とはどういうこと?
たくさんの物件を見てようやく購入した中古マンション。
中古マンションを買うときに重要視する部分はどこですか?
駅近、外観、築年数、間取り、設計などハード面を意識する方が多いのではないでしょうか。
でも、以前から『マンションは管理を見て買え!』とよく言います。
これはどういうことなんでしょう。
マンションを買うと同時に管理組合に所属する
分譲マンションを買うと、購入者は区分所有者と呼ばれるものなります。
そして、「管理組合」という団体に自動的に所属をすることになります。
管理組合とは、区分所有者のみで構成されたマンションを維持・管理する目的の組織です。
これはマンションに関する特別法である「建物の区分所有等に関する法律」(いわゆる「区分所有法」)にて設立が義務付けられており、区分所有者は参加を拒否することはできず、必ず所属をしなければなりません。そして、勝手に抜けることもできません。
その管理組合によって、マンションは管理を行います。
マンションの管理は、管理会社に任せておけばいいと思っている方も多くないですか?
厳密に言ってしまうと、これは誤りです。本来マンションの管理は管理組合によって行われるものなんです。
ただ、管理会社に業務委託することを否定しているわけではありません。
マンション管理はやることが多い
管理組合が行うべきマンション管理の業務内容としは、主なものだけでも以下のような業務があります。
【事務管理業務】
(1)管理組合の会計の収入及び支出の調定
(2) 出納
(3) 本マンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整
(4)理事会支援業務
(5)総会支援業務
【管理員業務】
(1)受付等の業務
(2)点検業務
(3)立会業務
(4)報告連絡事務
【清掃業務】
(1)日常清掃
(2)特別清掃
【建物・設備管理業務】
(1)建物点検、検査
(2)エレベーター設備
(3)給水設備
(4)浄化槽、排水設備
(5)電気設備
見ていただければわかると思いますが、これだけの業務を何の知識もノウハウもない人がうかつに手を出していいことではありません。手を出したところで、何から手を出していいのか分からず、ただ疲れだけが貯まっていく結果になることが目に見えますよね。
そうなると、やはりプロに不動産メンテンス管理などとして委託したほうが、高い効果を得られるのは言うまでもありません。不動産メンテンス管理などを管理会社に委託することは、「ノウハウを買うこと」と心得るべきことですね。
マンション管理はマンションの資産価値を左右する
しかし、ここで注意しなければならない点があります。
マンション管理を受託する管理会社はあくまで管理組合との管理業務委託契約に基づき、管理組合の意向に沿った受託業務を行います。
管理会社に業務を委託したからといって維持・管理の主体が変わるわけではありません。
あくまでも管理組合が主体となり運営していくことは非常に重要なことなんです。
維持・管理の主体が管理組合であるということは、管理組合の活動状況や管理会社との協力関係が大事になるということは言うまでもありません。
マンションの管理運営の状態というのも自身が購入したマンションの資産価値を左右する大きなポイントのひとつです。
マンション管理運営の状態というのは、自分だけではなくマンション全体の事なので他の組合員はじめ住民の協力は必ず必要です。
将来的な資産価値を見据えて、「管理の質」のソフト面を見て判断するのがポイントであると言うことがご理解いただけましたでしょうか。
管理の質の良いマンションを購入すれば、将来的に売却するときも有利になることも期待できるでしょう。
マンションを買ううえで本当に大事なこと
最後に「マンションは管理を買え」とは、積極的な管理組合の活動状況とそれに協力してくれる管理会社を見ていくことが大事であると言えます。
また、中立的に見るマンション管理士に相談するのも良いのではないでしょうか。
どのように積極的な管理組合や協力的な管理会社を選ぶかはまた別の機会にお話ししたいと思います。